皆伝を取るまで 中伝中期〜小指事件

中伝中期〜小指事件(beatmaniaIIDX 23 Copula〜beatmaniaIIDX 24 SINOBUZ)

地力C以下のHARDクリアが増えるわけでもなく、かといって地力A以上のEASYやノマゲランプすら増えずこう着状態にあったこの時期のことは今となってはあまり覚えていない。小指事件の直接の要因になったと推定される、必要以上の高難易度譜面への特攻が唯一即座に答えとして出てくる程度だ。

EASYオプション

多くの場合において、できないかもしくはクリアできる可能性が非常に低いと分かっているものに特攻していくのは面白くない(これが面白いという人がいるのは知っているしそういう人こそ伸びる)。ここで用いられるのがEASYオプションだ。EASYオプションとは、ゲージオプションを何も用いていない、いわゆるノマゲに比べてミスに起因するゲージの減少が抑えられるというものである。

モチベーション維持

このオプションを用いて自身ができそうなギリギリの難易度に位置する曲をプレイすると、クリアランプの更新と高難易度への特攻という目的が達成でき、モチベーションを維持しながら上達を目指すことができる。もともとノマゲですら難しい曲になればなるほどそのクリア難易度が加速度的に上がっていくbeatmaniaIIDXというゲームにおいて、こういった些細なモチベーション維持へのアプローチは非常に重要なのである。

なぜ難しすぎる課題を設定するのが問題なのか

EASYランプを用いて難しい曲に無差別に特攻すればいいのかというと、決してそうではない。難しすぎて何も見えていない譜面は無駄に力んでしまうだけになってしまう。たとえば、☆8や☆9が適正レベルの人が5.1.1. SP NORMAL(☆1)を何度プレイしたところで疲れが溜まることはないだろう。しかしながら同じ人がV2 SP ANOTHER(☆11)をプレイしたらミスカウントは3桁をいとも簡単に超え、さらに1回でかなり疲れてしまうのは言うまでもない。

当時の私が見逃していた点はそこに存在している。BPが200を超えるような譜面も特攻していけばいつか見えるようになると信じ、それが正しいかどうか、他にやり方はないかなどを考えるのを放棄していたのだ。最終的に、身の丈に合わない特攻を繰り返した結果は悲惨なものになってしまった。

その後、一度は本気でこのゲームから手を引こう、と家にあるアーケード仕様のコントローラを売ることを検討するぐらいにはIIDXに対するモチベーションは下がり続けた。友人達のプレイを見て、あのゲームへ復帰するまでの1年間は色あせたものになった。ただ非正規雇用労働へと赴き、ただ大学の単位を取得するための日常生活はモノクロームそのものであったと言ってもいいかもしれない。