皆伝までは共に

この記事のタイトルは、私が卒業した中学校のいわゆる卒業アルバムにあったフレーズ—港までは共に—をもじったものである。実はこのブログの他に、今まで非公開にしていた私の以前のブログが存在する。

皆伝を取るまで書き続けようとしたのだが、更新頻度がどんどん落ち、一昨年の夏には一切更新しなくなってしまったのである。そして、翌年小指事件から復帰し、このブログを開設したのだった。

そしてついに私はエントリー画面に金色の2文字、皆伝を見ることができた。高校2年生の時から目指し続け、一度は挫折したその文字は、今や私を正しく形容してくれている。

段位は調子のいい日に受けるというのは当たり前だが、今日はそこから程遠いぐらいには調子が悪かった。いくらウォーミングアップの済んでいない1クレ目だからといってAA SP ANOTHERの正規譜面をHARD CLEARできないのは調子が悪い以外に何があろうか。特に酒を飲んでいるわけでもない—酒を飲むと☆11すらまともにできなくなる。

皆伝を受けるまで

本日皆伝を受けたのは、このようなコンディションにおいても冥は抜けられると思ったからだった。今日に至るまで、いつだかに解禁されたEXPERTコースを利用し、速い打鍵を可能にするべく練習していたのであった。練習コースは以下の通り。

1. Confiserie
2. IX
3. Elemental Creation
Final. 冥

冥を除けば☆12ハード地力表のハード地力Sを前座に置いてある形だ。EXPERTコースのゲージは22 PENDUALより段位ゲージと同じであり、最後に冥を持ってくることによって打鍵速度を速め、また冥自身の練習もできるコースになっているのが特徴である。

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本日このコースをランダムでプレイした結果、低速では正規2鍵が4鍵に、正規3鍵が7鍵に来るという酷い配置が降ってきた。60%ぐらいで突入したが抜けられて、BPは116。これなら正規でも行けると思い、皆伝を受けた。以下、皆伝曲それぞれについて、今回の受験の詳細を語っていきたいと思う。ちなみに曲目は21 SPADA 段位認定 SP皆伝と同様である。

課題曲の詳細

1. 嘆きの樹
デニム以降とそれ以前で人が変わったかのような出来だった。いわゆる大階段はそこまで苦手ではなく、まだ音は鳴る。もっとも今回は半分ぐらい無音だったかもしれない。

2. 灼熱 Beach Side Bunny
一番危なかったのがこの曲である。以前までは白数字を少し大きくしないと落ちていたのが、今回は白数字を増やしたことで死にそうになっていた。一応2つのトリル地帯を抜けた後はほとんど落ちたことがなかったが、焦りと緊張は無情にも私のゲージを削っていった。

3. 卑弥呼
皆伝受験のリザルトに青い三文字が舞い踊る原因としてよく挙げられるのがこの曲だ。前半の縦連、1鍵に襲いかかるバスドラム、後半の皿付き二重階段、そして最後の低速はまさに事故要因の詰め合わせセットである。もともと壊滅的に下手だった低速を練習に練習を重ねて人並みにしたので、私が恐れていたのは前半の縦連地帯であった。1軸地帯を抜け、低速まで20%から30%で推移していたゲージはいつもなら維持できていたのだが、今回は不可能だった。

4. 冥
12 HAPPY SKYのONE MORE EXTRA STAGE楽曲として誕生したこの楽曲は、CS 14 GOLD(KAMAITACHI SP BLACK ANOTHER)やCS 15 DJ TROOPERS(ICARUS SP BLACK ANOTHER)などを除けばほとんど皆伝のボスとして長い間その座を譲っていない。私の唯一の、そして最大のアドバンテージは癖がついていないということだ。過去の皆伝受験において23小節目から33小節目までまるまる回復にでき、かつ低速に余裕を持って入れていた。問題は低速地帯である。左手はここで2鍵と3鍵で裏の細かいシンセサイザの音を叩かせながら1鍵と皿でバスドラムとシンバルも同時に弾くことを要求され、また右手はメインメロディを担当することになる。ここで何度苦い思いをしたか数えるのも億劫になる。仲の良い周囲の人間からのアドバイスや、それを基にした練習がようやく功を奏した。

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2000ノーツ目のピアノの音は、beatmaniaIIDXというゲームを始めて5年半たって初めてはっきりと刻まれた区切りといっても過言ではない。高校2年生の自分自身に、皆伝に合格したということを伝える術はないが、可能ならば伝えたいと思う。